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ヨシタケシンスケの絵本は「楽しむ」を教える教科書だ【もうぬげない、このあとどうしちゃおう】

ヨシタケシンスケの絵本は、主人公が危機的な状況に見舞われたところから始まります。

「もうぬげない」と「このあとどうしちゃおう」は特にそうで、「もうぬげない」は、お母さんが主人公である僕の服を無理やり脱がそうとし、それが頭に引っかかり脱げなくなってしまいます。

この状況は、子供にとってかなり大変な状況です。

お母さんにそのまま脱がしてもらえば良いのですが、主人公は「ここからは自分で」と突っぱねて、どうにかしようとします。

でも、どうにもならない。

そうなると、どうやったって自分じゃ脱げない予感がしてくるし、ひょっとしたら一生このままな予感もする。

そこで、ぼくは持ち前の発想力でこのピンチを切り抜けようとします。

 

「服が引っかかっていたって偉い人になれる!だって服が引っかかってるだけで、他の人とは何にも変わらない」

「でも、もし猫がくすぐってきたらどうしよう。そうだエサをあげて、ナデナデして仲良くなっちゃえば良いんだ!」

「ひょっとしたら同じように服が引っかかった仲間がいるかも」

 

子供が考えそうなシュールな発想で、危機的状況を今後どう活かそうか?ぼくは必至で考える。

結局、最後はお母さんに問答無用で服を脱がされ、ワシャワシャとお風呂で洗われるんですが、『どうしようもない、人より少し不便になるであろう今後』に考えを巡らせる主人公は、まさに危機的状況からのこれからを思考することで楽しんでいます。

 

「このあとどうしちゃおう」も中々の危機的状況から始まります。

主人公であるぼくのおじいちゃんが1冊のノートを残して死んでしまいます。親しい身内の死は子供にとってショッキングな出来事ですが、このノートの存在によって絵本そのものに「楽しい」が溢れる仕掛けになっています。

また、この絵本のもう一人の主人公ともいえるおじいちゃんの姿は、ノートとぼくの記憶や想像からしか見えてきません。

 

そんなおじいちゃんが残したノートには「死んだあとどうなる?」「天国に行くときの持ち物」「地獄はきっとこんな場所」「みんなを見守る方法」など、自分が死んだ後の世界のことが記されています。

「きっと地獄の鬼はくさい」とか「天国はお刺身が美味しい」とかおじいちゃんの死んだ後の想像はユニークです。

きっとこうだ。こうだと良いなぁ。とおじいちゃんが生きている間に考えたことは、どこまでもポジティブで早く死んだ後の世界を見てみたいと思わせるほど。

主人公であるぼくも、「早く天国に行きたい」「おじいちゃんはきっと死ぬのが楽しみだったんだ」と考えるようになります。

 

でも、主人公はそこで立ち止まる。

「ひょっとして全くの逆だったんじゃないか?」と。

 

ひよっとしたらおじいちゃんは寂しかったんじゃないか?死ぬのが怖かったんじゃないか?

だから、こんなノートを作ったんじゃないか?

 

でも、結局はやっぱりこんなにノートに楽しそうに書いてあるんだから、天国に行けるのが楽しみだったのかも。とぼくは考えます。

お父さんに聞いても、「それは、おじいちゃんじゃないと分からない」と至極真っ当な答えが返ってくるのみ。

 

そこで、ぼくも「このあとどうしちゃおうノート」を作るんですが、考えているうちに死んでからの世界より、生きているうちにやりたいことに焦点を当てたくなってきたわけです。

結局、子供らしく死後の世界より生きてる世界に焦点が戻ってくるんですね。

 

この「このあとどうしちゃおう」も、やはり楽しんで考えることで、それぞれがピンチを切り抜けたことが描かれている絵本だと思います。

 

主人公やお父さんは「本当のことはおじいちゃんじゃないと分からない」と言っているけど、おじいちゃんには少なからず死ぬことへの恐怖があったのだと思うし、死後を楽しみながら考えたことで「死の恐怖が」和らいだんじゃないかと。

ぼくに関しても、身内が死んでしまうという体験をおじいちゃんの楽しそうなノートを読むことで、ポジティブな体験に変えることが出来たんじゃないかと思います(この場合は楽しいというより、おじいちゃんはこんな事を考えていたんだという発見と、今後の自分の方向性が見えてきたという意味で)

 

人間にとって考えるというのは大切な行為のひとつで、考えるから答えもでるし、考えるから見えてくるものがあるし、考えるから楽しくもなる。

だから、子供のうちからどんどん考えるべきだと思います。

ヨシタケシンスケの絵本は、こういった『楽しむ⇔考える』を子供だけでなく大人にも、ごく自然におしえてくれる教科書のような存在だと感じる今日この頃でした。

 

 

 

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